Made in Japan スペシャルインタビュー第2弾

Yukinori KawaeMitsuaki Iwago

エジプト考古学者
河江肖剰氏が語る
「MADE IN JAPAN COLLECTION」の魅力

テレビのドキュメンタリー番組でピラミッドに興味を持ち、19歳の時に単身エジプトに渡り、16年間、首都カイロに暮らしながらピラミッドのガイドとして働いたという異色の経歴を持つ河江肖剰氏。その後、現地の大学を卒業し、名古屋大学で博士号を取得。2016年にはピラミッドを3D計測調査するプロジェクトに携わったことで大きな注目を集め、米国ナショナルジオグラフィック協会により、「新世代の探求者(エマージング・エクスプローラー)」に選ばれるなど、気鋭の考古学者として活躍しています。リーバイスのジーンズを穿いて調査に臨むこともあるという河江氏に、その魅力について聞きました。

現場での努力がジーンズにダメージとして刻まれる

「エジプトでも日本でも暑い時期はいつもジーンズにTシャツで過ごしています。ジーンズをよく穿くようになったのは、エジプトでガイドをしていた頃からですね。現地でジーンズを買おうと思って探していたところ、リーバイスのジーンズを見つけたんです。当時の私にとってはかなり高価でしたが、丈夫なものが欲しかったので思い切って購入しました。やはり、リーバイスは老舗ブランドなので信頼や安心感がありましたから。

ピラミッドの調査では、狭い場所に潜り込んだり、背丈ほどもある石積みを這い上がったりするのですが、その際、擦れることが多いため、ジーンズくらい丈夫なパンツでないとすぐにボロボロになってしまいます。ジーンズはダメージが入ってもそのまま穿き続けられるのも魅力です。現場で頑張った思い出が、ダメージとしてジーンズに刻まれているようにも思える。ですから、現場で使えなくなったジーンズはプライベートで使うなど、大切に穿き続けています」

“風化”を思わせる自然な色落ちに惹かれる

「エジプトで調査していると、日本のものづくりの力を実感することがあります。考古学の必需品であるカメラは日本のメーカーですし、計測機器を日本の会社と共同で開発することもあります。また、近年では同じ名古屋大学の研究チームが、宇宙から降り注ぐ素粒子の一つであるミューオンを使って、ピラミッドの中に知られざる大空間があることを発見しました。

これも言わば、メイド・イン・ジャパンの優れた研究成果です。普段からリーバイスのジーンズを穿いてますが、『MADE IN JAPAN COLLECTION』の『502 SLIM TAPER』に足を通した時はまったく違和感がなく、フィットして驚きました。色落ちの具合もいいですね。遺跡に見られる“風化”を思わせる雰囲気がある。私は普段、ジーンズを濃色から穿いて、色落ちさせていくのですが、この『502 SLIM TAPER』の色落ちはとても自然に見えますね」

ジーンズは時間の壁を超えて残り続けるプロダクト

「私はピラミッドの研究を通して、政治、宗教、文化といったものから成り立つ当時の文明の姿を明らかにしたいと思っています。ピラミッドを3D計測してデータ化するのはその一歩で、将来的にはピラミッド作りに携わった人々が暮らしたピラミッドタウンや周辺の地形もデータ化して、ピラミッドを取り巻く社会構造を紐解いていきたいと考えています。

考古学においては、見落としがちな何気ないものが大きなヒントになることがあります。例えば、古代でも衣類の縫い方で、それが作られた年代を判別できたり、当時の文化が見えてきたりします。ヴィンテージのジーンズでも同様のことが行われていますよね。人間が作り出してきたものは、すべて時代を背負っているんです。そして、長い年月の中で世の中に受け入れられたものが残ってきた。リーバイスがジーンズを生み出してから100年以上が経過していますが、プロダクトが1世紀を超えて残っていくのは本当に難しいことなんです。時間の壁を超えられるプロダクトは、あらゆる文化の中で絶対的な価値を持っていると思います。リーバイスのジーンズもそういう存在なのかもしれません」

動物写真家
岩合光昭氏が語る
「MADE IN JAPAN COLLECTION」の魅力

タンザニアのセレンゲティ国立公園で撮影した野生動物の写真をはじめとした数々の作品が高く評価評価され、日本人で唯一『ナショナルジオグラフティック』誌の表紙を2度にわたって飾るなど世界的に活躍する動物写真家・岩合光昭氏。一方で、人間が作り出した社会の中に生きるネコの姿を撮影することをライフワークとしており、多数の写真集を出版しているほか、NHK BS プレミアムのテレビ番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』を10年間にわたって手がけ、2019年、2021年には映画監督を務めるなど、幅広く活動しています。そんな岩合氏に動物の魅力、デニムの魅力を聞きました。

純真な瞳に心を打たれ、ネコの撮影がライフワークに

「ネコに惹かれるようになったのは、高校生の頃に同級生の家を訪ねたことがきっかけでした。彼の家では28匹ものネコが暮らしていたんです。そのうちの一匹の顔を見ていると、なぜだか目頭が熱くなって、涙が流れてきました。こちらをまっすぐに見つめてくる美しく純真な眼に心を打たれてしまったんです。

それ以来、ずっとネコを撮り続けています。アフリカの野生動物を撮影する時も、人間の社会の中に暮らすネコを撮る時も感覚は変わりません。野生動物は弱肉強食の世界に生きていると言われますが、長年撮影しているとそれだけでは成り立たない、何か自然の調和のようなものが他にあると感じるようになりました。ネコも長い年月、ヒトの暮らしに組み込まれて、調和して生きている。そういう意味では、野生動物もネコも変わらないのです」

“改めて気づかされた日本の美

「京都のある有名なお寺でネコを撮影した時に、日本の美というものに改めて気づかされました。住職のあとをついて境内を散歩する黒ネコの姿を撮影したのですが、住職がいなくなった後、ネコがふらふらと絨毯のように苔が広がる場所に向かったんです。するとそこに真っ赤に色づいたもみじの葉が落ちていた。横には真っ黒なネコ。その鮮やかな色合いに感動して、思わず“日本に生まれてよかった……”という言葉が口を突いて出てきたんです。

今までそんなことを考えたことがなかったので、自分でも驚きました。そんな言葉を言わしめるほどの美しさが京都にある、世界の人々が求める京都の魅力とはこれだったんだと。それをネコに気付かされました。伝統的な日本の職人さんのネコも撮影したことがあります。職人さんは厳しい顔つきで真剣にものづくりに打ち込んでいるのですが、ネコが近寄ってくると途端に相好を崩すんです。そうした職人さんたちや企業も今は伝統的な技術を守りながら新しいチャレンジをしていますよね。こうした撮影を通して、メイド・イン・ジャパンに改めて惹かれるようになりました」

ずっと穿いていたように感じられるほど脚に馴染む

「デニムといえば、40年ほど前に流行していたオーバーオールを穿いていた時のことを思い出します。撮影の時、腹ばいになったりすることが多く、普通のパンツだと裾やポケットに土や泥が入ってきたりするため、ウエストにつなぎ目のないオーバーオールを愛用していたんです。

ある時、イヌの撮影をしていたのですが、なかなか良いカットが撮れず長時間粘っていたんです。するとご主人が申し訳ない、と落ち着かなくなってしまって。それがイヌにも伝わったのか、さっきまで寝そべっていたのに急に立ち上がったんです。チャンスだ!と思ってシャッターを切ったのですが、次の瞬間、こちらに走ってきて、股間をガブッ!と……。幸い、丈夫なデニム生地でゆとりのあるオーバーオールだったので大事には至りませんでしたが(笑)。
『MADE IN JAPAN COLLECTION』の『511 SLIM 』を穿いてみましたが、柔らかくてストレッチも効いているので、まるで以前からずっと穿いていたような感覚になります。動きやすいので、これなら撮影にも使えるかもしれませんね。スタッフからも似合うと褒められます。動物写真家になっていなかったら、ファッション写真家になってみたかったですね。動物写真を撮る時はどうしても孤独な作業になってしまう。一方、ファッション写真では、洋服を作っているブランドからスタイリストやヘアメイクなど大勢のヒトが関わって1つの世界を作り上げていく。そこに魅力を感じます。僕は映画も撮っていますけど、やはり大勢のスタッフが関わっていて楽しいんです。ものすごい産みの苦しみがあって、もう二度とやりたくないと思うんだけど、不思議とまた映画を撮りたくなってくる。これからも、表現の場を広げていきたいですね」