Vol.10

LEVIʼS®
MONTHLY
MUSE

栗原はるみ 
HARUMI KURIHARA

501®を愛する女性のライフスタイルやクリエイティビティにフォーカスをあてたインタビュー連載「LEVI’S® MONTHLY MUSE」。第十回目のゲストは料理家として長年第一線で活躍されている栗原はるみさんが登場。「今が一番好き」と語る栗原さんに、デニムへの想いからライフスタイルの哲学まで、たくさんのお話を聞きました。

デニムはいつ頃から穿くように
なりましたか?

昔から周りがみんな穿いていたので、当たり前のように私も穿いていました。毎日のように穿くようになったのは、料理の仕事を始めてから。動き回るのでスカートではなく、自然とジーンズを選ぶことが多くなったんだと思います。

好みの形はありますか?

色々な形のものを持っていますが、どちらかというと細身のタイプが好きです。501®︎でも細身のものを気に入ってよく穿いています。

栗原さんにとってデニムは
どのような存在ですか?

いくつになっても、どんな体型の人でも似合うものがある。それってすごいことだと思います。スラックスやジャケットだったら、似合う似合わないということもあると思いますが、ジーンズは形やサイズを見極めれば自分に似合う一本がきっと見つかる。誰もが平等に楽しむことができるって素晴らしい。それに、丈夫だから穿けなくなるほどになるなんてことはめったにないし、リペアし続ければ永遠に穿けるところもいいですよね。

自分らしく穿き続けるために
意識していることはありますか?

自分の好きなように穿くことで、だんだんと馴染んでいく。そうすると新しいものを買うときもすぐに似合うものが分かるようになります。

長年デニムを穿いてこられた中で、自分の中でしっくりくるスタイルを確立されたのはいつ頃だと思いますか?

今だと思います。これは、ファッションだけでなく人生を通して言えることですが、過去がどんなに素晴らしくても時間と共に消えてしまう。だからこそ今が一番いいと思える人生でありたい。料理も40年以上やってきて、その中で23年前が一番良かったとは思いたくないですね。ジーンズも一緒で、若い時に似合っていても今似合わなかったら残念じゃないですか。これからも似合う自分でいたいし、そういう状態でいられるように心がけています。

年齢とともにデニムとの向き合い方にも
変化はありましたか?

若い頃はただ好きだから穿いていましたが、健康でいるからこそ好きなジーンズを穿くことができるんだと今は思っています。これからも元気で長く穿き続けたいです。

ポジティブな気付きも
増えているんですね。

変化を楽しみながら自分らしく暮らしていけたら素敵ですよね。そのためにも人と比較したり、歳を取ることを否定したりしないように自分をしっかり持たないといけない。歳だからと思いだしたら負けてしまうと思うし、これもまた平等ですからね。私はいつも自分の中で10歳は若い気持ちでいるんです。75歳の今は65歳の気持ちで。時間は平等だからこそ、楽しく生きたいと思っています。

お料理についても考え方に
変化はありますか?

これは夫が亡くなって初めて気がついたことですが、3年経った今、少しずつ自分のためにも料理を作らないといけないなと。料理の力を借りて元気になろうと努力をしなければいけない。このごろ同じような境遇の方が多くいることを知ったおかげで、新しい雑誌に「ひとりごはん」のテーマを入れました。

新しく刊行されたパーソナル・マガジン
『栗原はるみ』では、お料理以外にも
趣味やファッション、日々の暮らしのことも
題材にされていますね。

自分の好きなことを伝えていきたいなと思って。野菜を育ててみたり、刺繍を習ってみたりとやってみると楽しいことって日常の中にいっぱいあって、自分の好きなことを見つけてやれたら、もっと元気に毎日を過ごせるんじゃないかなと思っています。

ほかにも韓国語の勉強や習い事など
新しいことに
どんどん挑戦されている姿がかっこいいです。

最近はギターも始めました。きっかけは佐野元春さん。昨年、季刊誌『haru_mi』の100号目で対談させていただいたのですが、実はちょっと前まであまり知らなかったんです。テレビでたまたまお見かけして、「かっこいい日本のミュージシャンがいるな」と。そこからお会いしてみたいなと思ってお声がけしたら、出演してくださることになって。自分から一緒に仕事してみたいと思って行動したことがこれまでなかったので、すごく嬉しかったですね。いつか大好きな「約束の橋」をギターで弾けるように特訓中です。

栗原さんの器選びやインテリアなどのセンスにもファンが多くいらっしゃると思いますが、
そういった感覚は
どこからきていると思いますか?

イギリスのデザイナー、トリシア・ギルドさんの色使いやデザインに影響を受けているかもしれません。昔、本屋さんで初めて彼女の本をみた時になんて素敵なんだろうと思ったのを今でも覚えています。そこから本を集めたり、イギリスで彼女のお店に行ってお皿を買ったり…。他にも海外で見たり聞いたりしたことがイメージとして自分の中に残っているんだと思います。

自分らしく生きるうえで
大切にしていることはありますか?

怒らないこと。嫌なことがあったら過去に置いていくようにしています。今日は今日で終わってしまうから、精一杯大事にしたい。このような取材のお仕事ももちろん、一回一回の出会いを大事にすることで人生が豊かになっていくのかなと思います。

最後にこれからの夢を教えてください。

自分らしく元気で。パーソナル・マガジンも年に3回のペースで、健康な限り続けていきたい。その忙しさも元気のもとになっていると思うので、生涯現役で自分らしさを失わないで最後まで貫けたらなと思っています。ジーンズもこれからもずっと穿き続けますよ。

栗原はるみ(くりはら・はるみ)

1947年、静岡県生まれ。料理家。ミリオンセラーとなった『ごちそうさまが、ききたくて。』(文化出版局)ほか著書多数。著書の累計発行部数は3100万部を突破。NHK『きょうの料理』レギュラー出演中。暮らしを楽しむコツやライフスタイルを提案する生活雑貨ショップ「share with Kurihara harumi」をプロデュースし、オリジナルの食器やキッチン雑貨、エプロン、ウェアなどを展開。2022年3月、講談社より雑誌『栗原はるみ』を創刊。